句作の逸話

私の趣味は句作です。1996年12月からの体験談・経験談を書きたいと思います。

鳥帰るかつて西側東側

第二次大戦時、米ソは味方同士でしたが戦後は対立しました。軍事力で戦わない冷戦です。私は世界史に興味がありよくネットを利用していますが、そこで世界を西側と東側に色分けした地図を見つけた時に、日本はアメリカの影響で西側に属し、旧ソ連は東側だと気づきました。

上記の句は「鳥帰る」という季語で詠もうとして先ず浮かんだのが冷戦時の地図で見た日本とロシアのことでした。春になれば日本で越冬した鳥はシベリアなどの北方に帰って行くものですが、かつて世界は西側東側に二分されていたのだと思いを馳せながら作りました。

茶屋店の混むぽかぽかの梅の里

青梅市の梅園、吉野梅郷に行った時に作りました。
春先の暖かい一日で、「ぽかぽかの梅の里」はすぐにできました。「茶屋店の混む」の方はその日の記憶をたどりながら考えました。梅見にたくさんの人が来ていて茶店が混雑していた情景を思い出し句にまとめました。NHK学園の作品コンクール初入選でした。

教科書を読めり機内の受験生

この句の選評には「教科書を(参考書などではなく)読んでいたのが微笑ましい」と書かれていました。新聞の全国版に六句掲載された年の一句です。「よほど選者と合っているんだな」と友人に言われてしまいました。

上の句の読めりの「り」という助動詞は、四段活用の命令形とサ変の未然形につきます。受験生が教科書を読んでいるというような意味です。

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